柔道必修化(11月2日 2個目)
柔道必修化について
僕は、体育の必修で、柔道が採用されると聞いて、「信じられない」と、驚嘆しました。
自分も柔道は部活動で3年やっていたので、いかに危ないかが解ります。
膝に水が貯まるのが2回、骨折2回、脱臼4回、ヒビと捻挫は数えれば切りがないほど、締め技による失神も、きりがない程です。いわゆるシゴキで、失神させられ、正気に戻ったら、また失神させられ、を繰り返されました。
僕がやってた所では、この伝統が、顧問公認だったのです。1年生の通過儀礼でした。
彼曰く、「根性を付ける」そうですが、はっきり言って危ないだけです。
締め技というのは、頚動脈の血流を止めるわけですから、短期間に何度も行うと、脳障害になる可能性があります。
でも、柔道しかやった事のない人間の意見なら、説得力がないので、他の格闘技の、経験談をします。
ボクシングやら、空手やら、自分に合うルールを探して、色々試合に出ていました。実際に満足出来たのは、総合格闘技(ボクシングとレスリングをミックスしたような競技)でした。これをやるようになり、ローカルながら、興業まで何度か出させて頂きました。興業は防具もなく、馬乗りの体勢から下にいる相手の頭も腹も殴ってよいという、非常に危なそうなルールだったので、大怪我を覚悟して、興業用の練習と、実際の試合をやったわけです。
柔道で、散々怪我をしたので、きっと、柔道よりも悲惨な目に遭うんだろうなぁ、と思いつつも、せっかくの縁なので、やってみたわけですけど、実際のところは、マネーファイトと、それ用の練習を1年やりましたが、骨にヒビが入ったのが1回だけで、柔道のシゴキ文化と比べたら、非常に安全なものした。
信じられないかもしれませんが、馬乗りになって人の顔を殴りつける競技より、柔道のシゴキの方が怪我を負う危険性が高いんです。少なくとも、やっていてそう感じました。
理由は、総合格闘技の試合マットの方が、柔道の畳よりも遥かに柔らかいからです。そして、足をすくって転がすように投げる総合格闘技に対して、柔道は高い位置から投げます。あとは、選手意識の問題です。
危険な競技の裏には、強い選手意識と、知識が豊富なコーチやレフェリーに支えられている、という事実があります。
コーチやレフェリーは給料を貰い、判断をミスすれば首になるという形式をとっているので、しっかりとしたプロ意識があり、信頼も出来ます。
総合格闘技ならば、スパーリング(模擬試合。柔道で言う所の組み手)で、相手がタップしたら絶対に離しますし、仮に失神してしまった場合は、コーチが様子を見て、その日の練習が続行かどうか、判断してくれます。武道ではなく競技なので、選手は自分の意思でメニューを組めます。つまり理不尽なシゴキに遭う事がないです。これの影響も強いと思います。
タップ(手で軽く相手を2回叩く行為)という、降参の意思表示は、柔道にも存在します。
しかし、柔道では、他の格闘技に比べて、これを守らない選手があまりにも多いのです。もはや悪しき文化と言ってもいいでしょう。
理由は、“格闘技の入り口”として柔道は身近な存在なのです。だから他競技に比べると、気軽に始められる(ような気がします)。理由は、“安全そうに見える”からだと思います。
つまりは、“安全そうに見える”“非常に危険な競技”を、子供がやっているわけです。こんな恐ろしい事は中々ないです。
当然の成り行きで、柔道は、タップを無視する人間が非常に多いです。タップしても締め続ければ、失神しますし、タップしても関節を決め続ければ、折れるか外れます。ちなみに、部活動ではない、町道場ですらも、この文化は存在します。
子供に必修でやらせるなど、論外だと思います。
仮に、安全に行う方法があるとすれば、総合格闘技のように、プロのレフェリー、プロのコーチが必要になります。つまりは不可能です。
僕のように、柔道に対する理不尽な思いを抱えている人が居るのではないか、と調べてみたら、やはり居るようで、このような質問サイトまでありました。
http://okwave.jp/qa/q6934681.html
殴ったり蹴ったりするのが禁止であるルールが、競技としての“実際の安全性”と“体感的安全性”の差を生んでいるのかもしれません。
僕はボクシングなどの打撃系、と柔道などの組み技系を、両方やってた頃、常に違和感覚えていました、「絶対組み技の方が危ないけど、打撃の方が危なそうに感じるのは何故だろう」と。
違和感を解決する為に、インターネットで調べた事もあります。
統計データを見れば、実にわかり易かったです。
http://marukado.net/201003-/kegakega.html
柔道は7位。相撲は15位。レスリングは26位。空手は33位。剣道は43位。ボクシングは44位。
空手やボクシングの方が、柔道やレスリングよりも危なそうに見えるのは、単なる“印象”です。
投げは、殴る蹴るよりも、ダメージが大きいのです。たとえ受け身が完璧でも、体を浴びせられたら絶対に大きなダメージを受けます。
武道をどうしても必修にしたいならば、少林寺拳法などの、怪我の少ないものを採用するべきではないか、と思いました。
柔道が必修になれば、必ず廃人になる人や、死んでしまう人が出るでしょう。いじめの手口になる可能性もあるでしょう。
国は、そこまでして、金メダルが欲しいのか、と強い憤りを感じています。