学習環境 12月19日 3個目
此処は、物静かで、夜はしっかり暗く、遊ぶ場所も殆どない。これだけ挙げてみれば、随分と学習する事に向いた環境に思えます。
しかし、右を見ても左を見ても樹木が規則的に立ちはだかっていて、圧迫感を与えますね。空を見ても大抵曇り。
まるで、大きな檻の中で生活しているような気分になります。
そのせいか、やる気のある真面目な学生が、急に元気をなくして、授業に出なる事がよくありますね。
彼らは死んだ魚のような眼で、いつから始めたのか定かでない煙草を吹かしながら、退廃的な生活を送っています。
そのように、山で気力を失う人間を何人か見てきました。単に物質的に不便なだけで、人は此処まで変わってしまうものなのか。そう考えた事もありました。
しかし、様々な条件が折り重なって、結果的にそのようになる。抽象的ではありますが、これが適切なのではないかと思います。
田舎。
単に田舎ならば、自然が残っていて、割と味わい深いと思います。しかし、高野山に自然がさほど残っているか、と聞かれるとそうでもないですね。
高野山を、「陸の孤島」と言う学生が多いですけど、個人的には、「失敗した人口物」が適切なのではないかと思います。
家賃がたった1万円のアパートに住めるという恩恵は、計り知れないものがありますけど。